Death Punk!!
* 毎週水曜は当店の定休日ですので、受注対応は明日木曜日以降になります。

・MAGGOT HEART - City Girls 12" 税込2,700円 (Teratology Sound & Vision)
SONIC RITUAL, THE OATHなど多くのバンドで活躍してきた女性ギタリスト Linnea Olssonの新たなるプロジェクト MAGGOT HEARTが始動し、4曲入り12”をドイツのレーベルから発表。パンクとメタル双方のシーンで実力を発揮してきた彼女の新バンドデビューにしてはちょっと少ないのでは?と思われる限定300枚プレスで、案の定レーベルでは早々に完売していますが、日本でのディストリビューションを依頼されましたので、普段女っ気のないBOYだけど、SONIC RITUALも真っ先に入荷させた店として、これももちろん張り切ってプッシュさせてもらいましょう!!
THE OATHの時には既にベルリンを拠点にしていたLinneaさんですが、THE OATH分裂以降もしばらく活動は留めず、フィンランドのポスト・パンク/ゴシック・ロック・バンド BEASTMILKからの参加要請を受け、BEASTMILKとその発展形 GRAVE PLEASURESにも一時在籍してました。そのBEASTMILKとGRAVE PLEASURESはけっこうブレイクして、ポスト・パンク回帰花盛りの日本のお洒落なインディー・パンク・ファンにもそこそこ注目を集めていたみたいです。このMAGGOT HEARTは新バンドと言うよりも彼女のソロ・プロジェクトなんですが、参加ミュージシャンがスウェディッシュ・メタル・ファンならば見過ごせない実力者揃いで、ドラムとベースはIN SOLITUDEのリズム隊そのまんまで、ベースはREPUGNANTやINVIDIOUS, REVEALもやってる人物です。サウンドは昨今のポスト・パンク/デス・ロック・ファンにもアプローチするようなスタイルだけど、「BEASTMILKが酷くなったみたいで、全然BEASTMILKの方がいい」なんて意見を某所で目にしたので、ちょっとそのBEASTMILKってのも聴いてみたけど、いやいやいや!!何言ってるの???どう聴いたって全然違うだろ!!!MAGGOT HEARTのサイケ感はAngel Rat以降のVOIVODとか、REVEALほどじゃないけどNEGATIVE PLANEなんかにも通じるところもあるし、何よりも1曲目なんてTHE OATHの妖艶さを見事に継承してるじゃないですか。「BEASTMILKが酷くなった」、なんて幼稚なディスリが許されるなら、悪いけどその人はBEASTMILKより透明な音を求めてa-haでも聴いて癒やされてればいいんじゃないでしょうか???と、敢えて悪態ついてみましたが、そう、「BEASTMILKが酷くなった」って言った人、ある意味間違ってないんです。Linneaさんはその美しさとは裏腹に、こういう荒んでて退廃的なサウンドを表現する生粋のアンダーグラウンド・ダーク・パンク&メタル・ロック・ギタリストなんです。先日入荷して好評だったCELTIC FROSTウォーシップ・ジャーマン・ブラック・メタル・バンド OCCVLTAのメンバーが担当しているというアートワークも病んでるし、裏ジャケのLinneaさんの首つりもMAGGOT HEARTの音楽性とマッチしてます。日本でも人気のある北欧哀愁パンクはフォークの土台が強いと思うけど、Linneaさんのプレイにはその要素はほとんど無く、もっとピュアにR&Rしてるところもほれぼれするくらいカッコいい。あと知らなかったけど、LinneaさんはDEATH BEATとDIYファンジンも作ってて、そこではKILLING JOKEのJaz Coleman, POISON IDEAのJerry A, HAWKWINDのDave Brockなどにインタビューするという、アッパレすぎるセンスも爆発させてます(そのZINE、もっと早く知って入荷させるべきだった...)。
フィメール・パンク・ファンも、ヴィンテージ・メタル・ファンも、スウェーデンMetal Of Death系サイケデリック・ダーク・メタル・ファンも、そしてTHE OATHが好きだった人にも絶対オススメの大注目リリースです!!

・MAGGOT HEART - City Girls BUTTON 税込324円
オフィシャル・バッジも入荷!!こちらもまた既に完売/生産終了しているデザインで、CELTIC FROSTウォーシップ・ジャーマン・ブラック・メタル新鋭 OCCVLTAのメンバーがデザインしています。直系4.4cm。

・SLANDER - Calunnia ONE-SIDED DIE HARD LP 税込2,160円 (F.O.A.D.)
イタリアの若手ハードコア・バンドの6曲入り片面LPがF.O.A.D.からリリース。限定100枚スプラッター・ビニールのダイハード・バージョンです。
キャッチーでミクスチャー要素もあるクロスオーバー・スラッシュ・ハードコア・サウンドですが、これがもう今では完全にオールドウェーブな感すら漂うタイプで、NYHC系のスラッシュ・ブルタリティーと西海岸Suicidal系ギャング・スラッシュのミックスのような感じです。ラストにシークレットでNIRVANAのカバーも披露してますが、この選曲もなんか今っぽくない。ダイハード・バージョンですが、けっこう安めのお値段ですので、この機会にチェックしてみてください!!
YOSHI YUBAI - San Francisco PHOTO BOOK

・YOSHI YUBAI - San Francisco PHOTO BOOK 税込3,500円
Vice Japan WEB ZINEでNuclear War Now!オーナーのYosuke Konishi氏にインタビューもしていた広島県出身の写真家、弓場井宜嗣氏の初出版物となるフォトブックがサンフランシスコの出版社からリリース。アメリカで出版されたものなのでもちろんテキストも全て英語ですが、後書きをNWN!のYosuke氏が書いています。そして、弓場井氏がYosuke氏のテキストの日本語訳もメールしてくださったので、まずはそのYosuke氏の後書き日本語訳と、弓場井氏のインタビューを読んでみてください。
私が初めてYoshiに会ったのは2000年代の半ばで、お互い似たものに興味があり、関係が始まりました。私の家族には何人かビジュアルアーティストがいるので、写真の力はすでに理解していましたし、人生を通じてエクストリームミュージックを鑑賞してきた結果、Yoshiが探求しているテーマに私も共鳴したのです。私たちが初めて会った頃、YoshiはRE/Searchに住んでいて、サンフランシスコの写真を撮っていました。私はサンフランシスコ市内から10分程離れたパシフィカという町に住んでいました。当時定期的に参加していたコンサートへ行くのに便利な場所です。実際、私たちが初めて会ったのはメタルのギグで、本質的に音楽の趣味を共有していた私たちはそれから色々なショーでよく会うようになりました。それ以来、私たちの道は様々な機会に、ベルリンから東京まで、様々な都市で交差してきました。
より具体的な私たちの繋がりの源は、人間の中にある虚無主義的な面に対する共通した興味にあります。私はNuclear War Now!という名前の音楽レーベルを運営しています。これはおそらく多くの人に「武装闘争」への呼びかけのような扇情的なタイトルに聞こえるでしょう。しかし、私はこのレーベル名をそのような虚無主義的な衝動を感じる傾向がありながらも固有の倫理的羅針盤に導かれ、そのように行動することを妨げられている私たちのためのメタファーと考えています。例えば、ベイブリッジで渋滞にはまった時、全ての車を橋から落とせたら…と夢想するかもしれませんが、私たちは実際にそのように行動したりはしません。私はエクストリームミュージック、特にメタルがこれらの虚無主義的な性向の健康的なはけ口になると考えています。
Yoshiの写真は同様の手法で人間の暗い側面を探っています。サンフランシスコでの彼の作品は人間の逸脱した側面を反映しています。彼の被写体は私たちの多くが「薬物中毒、カス、ガターパンク、オカマのホームレス」等と認識するだろう人たちです。彼らははっきりとしたグレースケールでのみ現されていますが、同時に美しく対比させられています。まるでブラックメタルのように、Yoshiの写真は醜くグロテスクですが、同時に巧妙で魅力的です。ある基本的な衝動が私たちの人生からそのような「芳しくない人格」を排除しようとする時、私たちはその代わりに彼らの中に私たち自身を見いだす必要があります。ちょうど今私たちが全体的な虚無主義に傾いているように、私たちはみんな部分的に芳しくない特質を持っています。
当然に、かつ偶然にもYoshiの写真は1945年の広島と長崎の原爆投下後に撮影された写真に触発された黙示録的なイメージを捉えています。Yoshiの写真と私のNuclear War Now!との繋がりをこれ以上簡潔に表すことはできそうにありません。私たちはお互い異なる分野で活動していますが、私たちの表現は何年もの間、相似した軌道を描きながら前進を続けています。Yoshiのビジョンがこの先どのように進化し拡張していくのか、私は楽しみにしています。
Yosuke Konishi
若き写真家が見る歪んだ世界vol.8 弓場井宜嗣氏インタビュー
バンドやミュージシャンの写真集ではありません。サンフランシスコのストリートを行き交う人々や情景を収めた、A4よりちょっと小さいモノクロ・オンリーのフォト・ブックです。しかし、上記リンクで紹介されてるとおり、強烈な登場人物の写真が多数あります。長年お世話になっている弓場井氏の作品集だからこそ、当店も取り扱わせてもらうのですが、一つ強く言いたいのは、決して社交辞令的な付き合いで販売するのではないという点です。Yosuke氏の後書きと弓場井氏のインタビューを読んで、自分がレコード屋で仕事してて常日頃悶々としていたことを彼らが代弁してくれているようにも感じるのです。ここに掲載されてる写真が全て人間の本質だとは思わないけど、本質なんて全く美しくなく、むしろ醜くて、でも絶望してるわけでなく何かを表現せずにはいられないところは、BOYが惹かれて取り扱う音楽と通じるところだと思います。こういう写真見てハッと我に返り、どんなにチャラいパーティー・バンドでも、アーティストの端くれの足の爪の垢のクッセー部分くらいではあることを自覚したり思い起こせれば良いのではないでしょうか。限定120冊。
NEGATIVE INSIGHT BOOK New Issue


・NEGATIVE INSIGHT - issue #1 BOOK + VARUKERS 7" 税込2,592円
USのSocial Napalmというレーベルに携わっていた人物が発刊してスタートしたNEGATIVE INSIGHT ZINEの第1号が、付属音源を変えて再販。初版はDISASTERの91年ライブとSACRILEGEの86年ライブ音源をCDR or カセットで付属したDIYファンジンらしいオマケ音源でしたが、CHAOS UKの7"付き第2号、SHITLICKERSの7"付き第3号と、徐々に付属音源もビックリするような内容のものにグレードアップしてきたところで、この第1号の2017年版も素晴らしい付属音源に変わっています。後のSACRILEGEメンバーがバック陣だったAnother Religion Another War 12"eraの絶頂期VARUKERSが、ドイツのレーベルから1986年にリリースされたWe Don't Need Nuclear ForceオムニバスLPに提供した3曲を単独EP化して付属しています!!
ZINEの内容は、7ページに及ぶRatのVARUKERSインタビュー、SACRILEGEの初期ベーシスト Tonyの5ページにわたるインタビュー、こちらも5ページに及ぶDISASTERインタビュー、と3バンドのインタビューだけでも非常に濃厚です。もちろん各バンドの写真も掲載してますし、特にテキストは無いのにCONCRETE SOXの87年ライブ写真だけで2ページをぜいたくに使ったりして、Late 80's UKHCのあの時代が本当に大好きなのがヒシヒシと伝わってきます。ディスク・レビューのチョイスもなかなかセンスが良く、激渋UKメタルパンク ALTERNATIVE ATTACKにもスポットを当ててるなんて、アメリカ人にしてはちょっとあなどれません!!

・NEGATIVE INSIGHT - issue #3 BOOK + SHITLICKERS 7" 税込2,700円
そしてけっこう前から告知も行き渡って日本でも心待ちにしていた人も多かったであろう第3号、SHITLICKERSのオフィシャル・ライセンス・レプリカ7"シングル付きが遂に発売!!
過去2号はUKHCパンク色の濃い内容でしたが、今回はトータル・スウェディッシュ・ハードコア・イシュー。ABSURD, DISARM, フォトグラファー Sebastian Todorによる秘蔵写真, SKITSLICKERS, ANTI-CIMEX, そして伝説のChainsaw Tour '86レポート!!目玉はもちろんSHITLICKERSのオフィシャル再発7"付属なんですが、個人的にはやっぱりこの、AGONIとANTI-CIMEXによるChainsaw Tour日記をじっくり読みたいのです。AGONIがスラッシュ・メタルのAGONYに発展してUnder One FlagからリリースしたLPのインナーには、この時のツアー写真が満載で、ANTI-CIMEXのJonsonや、共演したDISCHARGEのCalもGaryもGrave New World eraの貴重なオフショットでAGONIメンバーと一緒に記念撮影に収まっていましたが、このNEGATIVE INSIGHT #3のツアーリポートには、いきなりDISATTACKのPekとMiddieがAGONIメンバーとイギリスらしい(写真モノクロだけど)緑の芝生の上でリラックスしてる写真が掲載されてて、もう倒れそうになります!!(Bill Steerは写ってない。写真撮ってたのがBill Steerなのかな?)SHITLICKERSのポスターも付いてます。